NEC の CIO が語るクライアントゼロで進める企業変革、 AI 時代の CIO は「ビジネスの 同クリエイター」へ 同クリエイター」へ 同クリエイター」へ





危機を転機に : クライアントゼロから始まる変革
NEC は現在、「クライアントゼロ」の考えの下、まずは自社が最新技術を活用した変革を行い、そこで得たノウハウやナレッジを顧客、そして社会全体に還元するサイクルの構築を図っている。目指すのは、コーポレート・トランスフォーメーション。「単なる It やデジタル化ではなく、本質的な企業変革を実行すること」と定義する。
そもそもの出発地点は 2012 年。同社が深刻な経営危機に直面したことに遡る。痛みを伴う構造改革を実施し、一旦は 2018 年中期計画の取り下げを余儀なくされた。「このままでは企業が継続できないのではないか」 (小玉氏) という危機感が、「自分たちのカルチャーを変えなくてはならない」という変革の意識に繋がった。経営がコミットする という危機感が、「自分たちのカルチャーを変えなくてはならない」という変革の意識に繋がった。経営がコミットする dx のスタートだ。
カルチャー変革本部を立ち上げ、経営幹部が変革タスクフォース活動を進める「プロジェクト ダーウィン」、人・組織・文化の変革を含む「 DX Agenda 」の設定などを進めた。ドメインを NEC.com に統一し、情報 共 有基盤「 有基盤「 onenec.com 」も立ち上げた。その後、変革の土壌が整ったことから、 2021 年に CEO 直下に「 Bureau de transformation 」を設置した。そこでは 150 ものサブプロジェクトを通じてコーポレートと事業、両方のトランスフォーメーションを推進している。
道半ばではあるが、すでに成果は出ている。「 2018 年 3 月期から (2025 年 3 月期まで) 8 期連続で当初計画を達成している」と小玉氏は胸を張る。時価総額は 2017 年 4 月時の約 8 倍という。
Dx の本質『変わり続ける力』を組織に根付かせる
2019 年に設定した dx agenda では、 dx の「 x 」を「 formation x 」として重視し、「変わり続ける力と文化を ADN にする」ことを目指す。それを推進する要素を ”変革ドライバー” として、「エンゲージメント」「カルチャー」「組織・人材」「全社標準プロセス」「デジタル経営基盤」「 dx ビジョン」などと 9 つ定め、実行してきた。
システム面では Système Onenec として、 NEC グループが擁する 1200 以上の様々なシステムを仮想的に 1 つのシステムとし、全体最適化を図るフレームワークを用意した。インフラ、セキュリティ、 AI などの技術を土台に、データプラットフォームがあり、コアプロセスの SAP 、セールス&マーケティングの Salesforce 、生産性では Boîte 、 Zoom 、 Microsoft などがあり、継続的にプロセスを改善するプロセスマイニングの Celonis 、ユーザー体験を統合するエクスぺリエンスとして ServiceNow とデジタルアダプションの Walkme を載せると言ったものだ。

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コーポレート・トランスフォーメーションの下で進めている取り組みの成果として、小玉氏は働き方、データ・ドリブン経営、インフラとセキュリティの 3 つの分野で数字を紹介した。
働き方では、従業員エンゲージメントスコアが開始当初の 19 %から 44 % (2025 年 6 月) に、社内生成 Ai サービスは 6.6 万人が、デジタル Id サービスは 5,9 万人が、日本国内の NEC 社員向けに提供するデジタル社員証は 2,5 万人が利用しているという。
データドリブンでは、ダッシュボードが 10 領域 98 種作成されており、データカタログの数は 1639 点に。データ準備コスト、データ提供までのリードタイムはそれぞれ 78 %、 75 %削減、 2022 年度から 2024 年度の粗利率は 5,5% 増加したという。
インフラとセキュリティでは、社内システムのクラウド化が 78 %に達し、 Bitsight によるサイバーセキュリティレーティングは、グローバルトップ 1% 相当の 800 だ。
企業変革の 3 つの柱 : 人・データ・ Ai
このような成果を挙げながら、小玉氏は NEC の企業変革のポイントを次の大きく 3 つにあるとする。
1) 人の力を最大化
2) データドリブン
3) 生成 Ai の活用

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1) では、同社が得意とする生体認証などの技術を使いデジタル id とつなげて入館管理や決済を可能にしたり、タイムリーな情報提供したりすることにより、オフィス生活をスムーズにしているという。デジタル障害者手帳の「ミライロ id 」とも連携しており、日本語以外の言語に対してはリアルタイム翻訳技術などのサポートもある。
2) では、経営者も従業員も同じデータを 有し、有し、 に事業と価値創出を進めることを目指す。「データドリブン経営とは文化改革」と小玉氏、「データをなかなか見せてくれない理由は、過去のデータに対して後ろ向きな議論になるから。そうではなく、データの可視化は未来に向けたアクション」とマインドセットの切り替えを促している。に事業と価値創出を進めることを目指す。「データドリブン経営とは文化改革」と小玉氏、「データをなかなか見せてくれない理由は、過去のデータに対して後ろ向きな議論になるから。そうではなく、データの可視化は未来に向けたアクション」とマインドセットの切り替えを促している。
CIO として、プロセスの標準化、レジストリの整理などデータの可視化のための技術的な取り組みを進めた。これにより、経営層が報告を待たずに迅速に意思決定できるための経営コックピット、サイバー空間の脅威の状況をすぐに把握できるサイバーセキュリティダッシュボード、社内 It ダッシュボード、事業継続ダッシュボードなどが作成されている。データ可視化により、従業員も自ら課題をふかぼって検討したり提案実行できたりしたりできるようにしているという。
3) では、あらゆる領域への Ai の浸透と Ai の潜在能力をフル活用するべく、エコシステムの構築を進めている。自社の生成 Ai 「Cotomi 」の活用、 Ai 活用にあたってコンプライアンスやポリシーなど社内の仕組みづくり、 Ai を受け入れるカルチャー作りとしてのナレッジ 共 有 / 活用のコンテスト / マーケットプレイス、 SAP や ServiceNow などのグローバルベンダーとの戦略協業を進め、最終的にはクライアントゼロとして蓄積したナレッジを顧客に提供するというものだ。

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Ai 時代にエクスペリエンスが重要な理由
これら多面的な dx の取り組みを取り上げた後、小玉氏が強調するのがユーザーエクスペリエンスの重要性だ。せっかく用意した仕組みも、ユーザーエクスペリエンスが良くなければ社員は使ってくれない。そこで、 NEC ではデジタルアダプションプラットフォーム (DAP) を使って、活用促進を進めている。デジタルアダプションとは、システムの上に操作方法や次のステップなどの情報を重ねて表示することで、ユーザーエクスペリエンスの改善をはかり、最終的にはシステムの定着化が図れるというツールだ。
例えば、基幹システムではクラウド erp 「grandir avec sève 」で dap を活用した。クラウドではベンダーの標準機能に合わせて業務を進める” フィットツースタンダード ”が求められるが、これまでのカスタマイズシステムとは操作が異なるため、ユーザーにとっては負担増となる。そこで、 dap を使って入力ガイド、入力支援などを実装することで、入力ミスを 4 割削減しているという。問い合わせの対応工数も低減された、と小玉氏。
また、ユーザー数の多い経費申請では、複数日清算の一括登録、承認者設定の自動誘導によるミス防止、ガイドによるマニュアルレスなどにより、ユーザーの操作時間を 87 %削減できたという。全社では 7 万時間分の工数削減につながっていると小玉氏は述べた。
「Ai 時代になると、エクスペリエンスはもっと重要になる」と小玉氏、「 ai はツールというより、労働力でありパートナー、そして自分自身の分身」だからだ。今後は、 ai エージェント同士がやり取りするような時代になることから、「人と ai が 存する中でのマネジメントを考えていく必要がある」とも述べた。存する中でのマネジメントを考えていく必要がある」とも述べた。

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最後に小玉氏は、 Ai 時代の CIO の役割についての考えも語った。dx 時代の CIO は IT 部門を統括する「頼りになるオペレーター」であり、事業戦略を実現する「変革の立役者」だった。これが AI 時代になると、テクノロジー、データ、プロセスの 3 つを統括して人、組織、文化など会社全体を変革する「ビジネスのコ・クリエイター (Co-créateur) 」に役割が変化する、と小玉氏。
「経営課題にすぐに対応できるようにするために、 (CIO は) AI の力を借りながら領域を超えた能力を獲得しなければならない。同時に、リスクオフィサーとしてデータプライバシー、倫理、安全性などを認識し、可視化をして全社で見える化をする。一連の流れをモニタリングし、フィードバックできる役割になるのではないか」と述べた。

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